文学賞メッタ斬り! 2008年版 たいへんよくできました編

大森望 豊崎由美 
★★★★★ ★★★☆☆

まず、文学賞~受賞本データベースとして、それら全ての書評リストとして、利用価値が高い。
そこから興味をもった本を読んでみるもよし、読んだ本については自分の評価とこの本で語られてる評価などを突き合わせてみるのも面白い。

そして、メッタ斬り本編ではないのかもしれないが、芥川賞・直木賞~受賞作家である二人を交えてのトークショーがかなり面白い。
芥川賞・大江賞~受賞作家である長嶋有さんは、パソコン通信時代からのいわゆるPC世代な人で、そこからはじまる作家の卵時代~新人賞~芥川賞~大江賞と、裏話を織りまぜながら、暗黒面へ堕ちていくまでを……。
直木賞~受賞作家である石田衣良さんは、裏の裏話をざっくばらんに、そんなことまで言って平気なの?っていうくらいズバズバと気持よく語る。
いかにも「売れっ子作家!」的な役割を意識して?サービス精神旺盛なトークスタイルにあえて挑むかっこよさ。
最後に全四氏で、選考会裏話、純文vsエンタメ系、やっとまともな執筆話、次回トークショーゲスト選考会で締めと。

文学賞メッタ斬り!

文学賞メッタ斬り!〈2007年版〉受賞作はありません編 文学賞メッタ斬り!リターンズ 文学賞メッタ斬り!

ここがウィネトカなら、きみはジュディ

大森望 編 
★★★★★ ★★☆☆☆

大好物の時間SFアンソロジー。
「編者あとがき」でも語られている、「タイム・トラベラー―時間SFコレクション (新潮文庫) 」が自分にとって時間SF好きのはじまりであり、SF小説を読むこと自体も、短編好きやアンソロジー好きも、全てはそこからはじまったように思う。
それと映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が決定打になり、「スター・トレック 」などにどっぷりと……。

  • 商人と錬金術師の門 テッド・チャン 大森望 訳 ★★★★★ ★★★☆☆
  • 限りなき夏 古沢嘉通 訳 ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
  • 彼らの生涯の最愛の時
  • 去りにし日々の光
  • 時の鳥
  • 世界の終わりを見にいったとき
  • 昨日は月曜日だった
  • 旅人の憩い
  • いまひとたびの
  • 12:01 PM
  • しばし天の祝福より遠ざかり……
  • 夕方、はやく
  • ここがウィネトカなら、きみはジュディ
  • 編者あとがき――タイム・トラベラーの帰還
ここがウィネトカなら、きみはジュディ 時間SF傑作選 (SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー)
テッド・チャン クリストファー・プリースト リチャード・A・ルポフ ソムトウ・スチャリトクル F・M・バズビイ イアン・ワトスン ロベルト・クアリア ボブ・ショウ ジョージ・アレック・エフィンジャー ロバート・シルヴァーバーグ シオドア・スタージョン デイヴィッド・I・マッスン H・ビーム・パイパー
早川書房

ワイオミング生まれの宇宙飛行士 宇宙開発SF傑作選 (SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー) スティーヴ・フィーヴァー ポストヒューマンSF傑作選 (SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー)

不思議の扉  時をかける恋 (角川文庫) 不思議の扉  時間がいっぱい (角川文庫)

タイム・トラベラー―時間SFコレクション (新潮文庫)

パーク・ライフ

吉田修一 
★★★★☆ ☆☆☆☆☆

第127回、芥川龍之介賞、受賞作。
やはり、芥川賞受賞作らしく相性が難しかった。

芥川賞のすべて・のようなもの
選評で村上龍さんが推していたので読んでみたけれど、正直言って微妙だなあ……。
前作、山本周五郎賞受賞作の「パレード」はそれなりに読めたんだけど(最終章は嫌いだったけど)、このパークライフは人が全然見えてこない。龍さん推しがなければたぶん30頁くらいのところで閉じていたと思う。

それでも読みきってみて、やっぱり自分には合わなかった。
人物が入ってこないというか、見えてこないというか、例えば連ドラ1話目の前半30分くらいまで観たところでCMに入って、そのまま番組が終わってしまったような感覚。
チャンネルをパカパカ変えて続きを探してもしょうがないし、その代わりに最初から読みなおすなんて絶対嫌だし、なんか不快感だけが湧き上がった読後感になった。

選評を読みなおしてみると、池澤夏樹さんの言葉が自分には一番しっくりきた。
なので、池澤さんが推している、黒川創さんの「イカロスの森」を次は読んでみようかなと。

パーク・ライフ
パーク・ライフ
posted with amazlet at 11.01.12
吉田 修一
文藝春秋
パーク・ライフ (文春文庫)
吉田 修一
文藝春秋