パーク・ライフ

吉田修一 
★★★★☆ ☆☆☆☆☆

第127回、芥川龍之介賞、受賞作。
やはり、芥川賞受賞作らしく相性が難しかった。

芥川賞のすべて・のようなもの
選評で村上龍さんが推していたので読んでみたけれど、正直言って微妙だなあ……。
前作、山本周五郎賞受賞作の「パレード」はそれなりに読めたんだけど(最終章は嫌いだったけど)、このパークライフは人が全然見えてこない。龍さん推しがなければたぶん30頁くらいのところで閉じていたと思う。

それでも読みきってみて、やっぱり自分には合わなかった。
人物が入ってこないというか、見えてこないというか、例えば連ドラ1話目の前半30分くらいまで観たところでCMに入って、そのまま番組が終わってしまったような感覚。
チャンネルをパカパカ変えて続きを探してもしょうがないし、その代わりに最初から読みなおすなんて絶対嫌だし、なんか不快感だけが湧き上がった読後感になった。

選評を読みなおしてみると、池澤夏樹さんの言葉が自分には一番しっくりきた。
なので、池澤さんが推している、黒川創さんの「イカロスの森」を次は読んでみようかなと。

パーク・ライフ
パーク・ライフ
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吉田 修一
文藝春秋
パーク・ライフ (文春文庫)
吉田 修一
文藝春秋

ITの踊り

清水一行 
★★★★★ ★★★☆☆

ゲーム好きなら読んで損なし(セガファンなら尚)、あのセガバンダイ合併騒動をモデルにした経済(企業)小説。
ただし、ゲーム開発に関するような場面は全く書かれておらず、あくまでも合併騒動の裏舞台と人間ドラマが面白く描かれている。
で、原作をちゃんと読んだことはないけれど、「課長島耕作」なんかが近いような気がする。あとTVドラマでやっていた、「特命係長 只野仁」なんかも……そんな感じで。
それと、巻末の「解説」好きなのでいつも先読みするのだが、結構なネタバレがあるので要注意。
とくに解説後半は大変良くできたあらすじなので。

勝手に相関表
パンドラ セガ
シャシール プリント倶楽部(アトラス)
アラジン バンダイ
育てっち たまごっち
TJS CSK
吉原会長 大川会長
マックス ナムコ
カルチャー サミー


他にゲーム業界で小説にしたら面白いだろうなと思うのは、スクウェアだろう。
任天堂からソニーへのプラットホーム変更。これは衝撃だった。
そしてフルCG映画の……。
エニックスとの合併。

もう一つは、王者スーパーファミコンの任天堂と、そのスーファミ用CD-ROMマシンを共同開発していたはずのソニー。
後に両者は別々の道を歩むこととなり、任天堂、セガ、NEC、ソニー、他、次世代機~大戦国時代へ……。
まさかの新興勢力、ソニー・プレイステーションが勝利してしまうという大激動。
そしてスクウェアのプラットホーム変更へと繋がっていく、いや、むしろこれが決定打となったのか。

このへんの小説などがあれば是非読んでみたい。
なければ書いてみたい……文才があれば……。

ITの踊り (光文社文庫)
ITの踊り (光文社文庫)
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清水 一行
光文社

虚構機関 年刊日本SF傑作選

大森望・日下三蔵 編 
★★★★★ ★★☆☆☆

  • 序文 大森望
  • グラスハートが割れないように 小川一水 ★★★★★ ★★☆☆☆
  • 七パーセントのテンムー 山本弘 ★★★★★ ★★★☆☆
  • 羊山羊 田中哲弥 ★★★★★ ★★☆☆☆
  • 靄の中 北國浩二
  • パリンプセスト あるいは重ね書きされた八つの物語 円城塔
  • 声に出して読みたい名前 中原昌也
  • ダース考 ★★★★★ ★☆☆☆☆ 着ぐるみフォビア ★★★★★ ★★☆☆☆ 岸本佐知子
  • 忠告 恩田陸 ★★★★★ ★★☆☆☆
  • 開封 堀晃 ★★★★★ ★★☆☆☆
  • それは確かです かんべむさし ★★★★★ ★★☆☆☆
  • バースディ・ケーキ 萩尾望都 ★★★★★ ★★☆☆☆
  • いくさ 公転 星座から見た地球 福永信 ☆ 2~3頁で断念。
  • うつろなテレポーター 八杉将司 ★★★★★ ★★★☆☆
  • 自己相似荘(フラクタルハウス) 平谷美樹
  • 大使の孤独 林譲治 ★★★★★ ★★☆☆☆
  • The Indifference Engine 伊藤計劃
  • 解説 日下三蔵
  • 2007年の日本SF界概況 大森望
虚構機関―年刊日本SF傑作選 (創元SF文庫)
東京創元社
おすすめ度の平均: 3.5
4 到達
5 2007年度はSFの豊作の年
2 きびしい

新・資本論

堀江貴文 
★★★★★ ★☆☆☆☆

賛否ありそうな内容だが、金についてをホリエモンと居酒屋トークしている感覚でサラッと楽しめる。
「資本論」といっても、金に関係する身近な話題が内容の半分以上なので、金について学ぶというよりは、考えるきっかけになるのではないかと。
庶民にありがちな、金や金儲けを「汚れたもの」と安易に捉えず、「信用」とする視点は良い思考転換になる。

新・資本論 僕はお金の正体がわかった (宝島社新書)
堀江 貴文
宝島社
おすすめ度の平均: 2.5
2 編集が悪いのかな
2 それほど単純か?
3 堀江 要は、僕が言いたいのは、
3 持っているお金はイコール信用であるという主張
4 お金を生み出すコミュニケーション。

催眠 完全版

松岡圭祐 
★★★★★ ★★☆☆☆

普通に面白いんだけれど、なにか物足りない……。
美味い料理なんだけれど、無彩色のような……。
「千里眼 完全版」クラシックシリーズもこれから全部読みなおすつもり。

senrigan.net

催眠 完全版 (角川文庫)
催眠 完全版 (角川文庫)
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松岡 圭祐
角川書店
おすすめ度の平均: 3.5
2 人物以外は最高でした。
2 ホラー小説だと……
5 目の動きや表情で心を読む描写はない
2 眉にツバをつけて読んだ方がいい
4 さすが松岡先生。読者を飽きさせない。