苦役列車

西村賢太 
★★★★★ ★☆☆☆☆

中盤で、
「――理不尽だ」
このあたりの自問や悪態、表現の勢いは非常に笑える。

きことわ

朝吹真理子 
★★★★★ ☆☆☆☆☆

物凄く狭い作品。
芥川賞らしいといえばらしいのだが、著者の半径1.5メートルくらいが射程になっている近視的読感。
一般向けとしては、20~30代くらいの女性で人付き合いが少し苦手だったタイプの人が読めば嵌るのかな。
これをおっさん(自分)が読んでもねぇ……頑張ったけど。

・ 

文学賞メッタ斬り! 2008年版 たいへんよくできました編

大森望 豊崎由美 
★★★★★ ★★★☆☆

まず、文学賞~受賞本データベースとして、それら全ての書評リストとして、利用価値が高い。
そこから興味をもった本を読んでみるもよし、読んだ本については自分の評価とこの本で語られてる評価などを突き合わせてみるのも面白い。

そして、メッタ斬り本編ではないのかもしれないが、芥川賞・直木賞~受賞作家である二人を交えてのトークショーがかなり面白い。
芥川賞・大江賞~受賞作家である長嶋有さんは、パソコン通信時代からのいわゆるPC世代な人で、そこからはじまる作家の卵時代~新人賞~芥川賞~大江賞と、裏話を織りまぜながら、暗黒面へ堕ちていくまでを……。
直木賞~受賞作家である石田衣良さんは、裏の裏話をざっくばらんに、そんなことまで言って平気なの?っていうくらいズバズバと気持よく語る。
いかにも「売れっ子作家!」的な役割を意識して?サービス精神旺盛なトークスタイルにあえて挑むかっこよさ。
最後に全四氏で、選考会裏話、純文vsエンタメ系、やっとまともな執筆話、次回トークショーゲスト選考会で締めと。

文学賞メッタ斬り!

文学賞メッタ斬り!〈2007年版〉受賞作はありません編 文学賞メッタ斬り!リターンズ 文学賞メッタ斬り!

パーク・ライフ

吉田修一 
★★★★☆ ☆☆☆☆☆

第127回、芥川龍之介賞、受賞作。
やはり、芥川賞受賞作らしく相性が難しかった。

芥川賞のすべて・のようなもの
選評で村上龍さんが推していたので読んでみたけれど、正直言って微妙だなあ……。
前作、山本周五郎賞受賞作の「パレード」はそれなりに読めたんだけど(最終章は嫌いだったけど)、このパークライフは人が全然見えてこない。龍さん推しがなければたぶん30頁くらいのところで閉じていたと思う。

それでも読みきってみて、やっぱり自分には合わなかった。
人物が入ってこないというか、見えてこないというか、例えば連ドラ1話目の前半30分くらいまで観たところでCMに入って、そのまま番組が終わってしまったような感覚。
チャンネルをパカパカ変えて続きを探してもしょうがないし、その代わりに最初から読みなおすなんて絶対嫌だし、なんか不快感だけが湧き上がった読後感になった。

選評を読みなおしてみると、池澤夏樹さんの言葉が自分には一番しっくりきた。
なので、池澤さんが推している、黒川創さんの「イカロスの森」を次は読んでみようかなと。

パーク・ライフ
パーク・ライフ
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吉田 修一
文藝春秋
パーク・ライフ (文春文庫)
吉田 修一
文藝春秋