下町ロケット

池井戸潤 
★★★★★ ★★★☆☆

小説的には普通すぎるのかもしれない、でも、良くできた普通ってのは、名作ってことだ。
企業小説にありがちなどうでもいい下ネタなんぞ一切無く、ただひたすらに男たちの仕事っぷりが描かれている。
大人たちだって夢に向かって生きるべきなのだ。 

下町ロケット

月と蟹

道尾秀介 
☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆

微妙すぎて……。
直木賞を受賞した男性作家の作品で、ここまで自分に合わなかったのは初めてのことだった。
これまで、直木賞作家・作品は及第点以上であることが当たり前になっていたので、なんの疑いもなく読みきれるものだと思い込んでいた。
好みによっては――というのがあったとしても、直木賞をとるような作家・作品ならば、「好みではないが読めてしまうほどの力」に引っ張られていたように思う。
しかし、この「月と蟹」では 30~40頁あたりで既に気怠くなり、なんとか読み進めようと気持ちを入れても結局は 63頁で本を閉じることになってしまった。
自分の体調に問題があったのかなあ……。
芥川賞受賞の二作品が読めて、まさかこっちの直木賞受賞作品が読めなかったというのは、本当に意外すぎる結果となった。

文学賞メッタ斬り! 2008年版 たいへんよくできました編

大森望 豊崎由美 
★★★★★ ★★★☆☆

まず、文学賞~受賞本データベースとして、それら全ての書評リストとして、利用価値が高い。
そこから興味をもった本を読んでみるもよし、読んだ本については自分の評価とこの本で語られてる評価などを突き合わせてみるのも面白い。

そして、メッタ斬り本編ではないのかもしれないが、芥川賞・直木賞~受賞作家である二人を交えてのトークショーがかなり面白い。
芥川賞・大江賞~受賞作家である長嶋有さんは、パソコン通信時代からのいわゆるPC世代な人で、そこからはじまる作家の卵時代~新人賞~芥川賞~大江賞と、裏話を織りまぜながら、暗黒面へ堕ちていくまでを……。
直木賞~受賞作家である石田衣良さんは、裏の裏話をざっくばらんに、そんなことまで言って平気なの?っていうくらいズバズバと気持よく語る。
いかにも「売れっ子作家!」的な役割を意識して?サービス精神旺盛なトークスタイルにあえて挑むかっこよさ。
最後に全四氏で、選考会裏話、純文vsエンタメ系、やっとまともな執筆話、次回トークショーゲスト選考会で締めと。

文学賞メッタ斬り!

文学賞メッタ斬り!〈2007年版〉受賞作はありません編 文学賞メッタ斬り!リターンズ 文学賞メッタ斬り!